与儀美容室 × ヘアケアブランド ジョジアンヌロール 前編
対談
対談企画第三回目のゲストは、フランスエステ界の第一人者であり、世界三大アロマテラピストの一人とされるジョジアンヌ ロールさん。約40年前にフランスで頭皮ケアの大切さを提唱し、そのパイオニアとして活躍されてきたジョジアンヌさんをお迎えし、独自のメソッドである『フィトエステティック』、『ジョジアンヌ ロール』製品の魅力、そして、美しい生き方について前後編でうかがっていきます。
17歳の少女の好奇心をくぎづけにした自然の力
与儀:お会いできて幸栄です。『ジョジアンヌ ロール』商品の生みの親であるジョジアンヌさんとお話することができて、とてもうれしく思います。
ジョジアンヌ:こちらこそ、このような機会をいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
与儀:ジョジアンヌさんは、フランス、パリでエステティシャンとしての道を歩みはじめたとうかがっていますが、当初からスカルプケアに注目をされていたのですか?
ジョジアンヌ:そうですね。私が働き始めた1960年代は、たくさんの優秀なヘアスタイリストが誕生し、パリにサロンを構えていました。その中のひとつ、大統領府・エリゼ宮のそばにあるフォーブル・サントノーレ通りのサロンで私はエステティシャンとして働き始めたのです。
与儀:東京でいうと、銀座4丁目のような華やかな通りですよね。私も何度も訪れたことがあります。
ジョジアンヌ:とにかく一流のものが集まる場所でしたね。そこで頭皮のケアに注目して仕事をし、1978年頃にそのサロンのすぐそばにあるサントノーレ通りに、初めて自分のお店を構えました。
与儀:それは、スカルプケア専門のサロンですか?
ジョジアンヌ:いいえ。頭皮、顔、体とすべてがケアできるトータルボディーサロンでした。
与儀:そこから独自のメソッドである『フィトエステティック』が誕生するわけですね。『フィトエステティック』は西洋のフィトテラピー(植物療法)と東洋医学、東洋思想の陰陽五行説(気功術)などを融合させたものですが、このメソッドはどのような経験、考えの中で生まれたものなのでしょうか?
ジョジアンヌ:少しさかのぼることになるけれど、いいかしら? 実は、そのきっかけとなった本に出合ったのは、私がまだ17歳の頃のことなのです。
与儀:17歳。どんなお嬢さんだったのですか?
ジョジアンヌ:なんにでも興味深々でたくさんの本を読み漁るような少女でしたね。そしてその本の中に中国医学について書かれたものがあり、その内容にとても惹かました。
与儀:では、それをきっかけに東洋医学を勉強されて?
ジョジアンヌ:まずは、鍼の先生に出会って鍼治療を学びましたね。
与儀:そうなのですね。東京医学の魅力はやはり、自然な医学というところですか?
ジョジアンヌ:東洋医学の中には、“人間は「小さな宇宙」である自然の中で暮らしている”という考えがあります。だからこそ健やかな暮らしには、自然と人間、双方を深く理解し、それらの調和を保つことが必要だという考え方にとても共感しました。大切なのは、自然と人間のハーモニーなのです。
与儀:西洋のフィトテラピーと通じる考えですね。
ジョジアンヌ:そのとおり。そして、日本にもその考え方が根づいているように私は感じています。季節の移り変わりを大切にし、季節が自分たちに与える影響を感じる文化が、日本にはありますから。
人間の内面と外面にある“美”について
与儀:ジョジアンヌさんのお話を聞いていると、私の祖母がよく言っていた言葉を思い出します。メイクもヘアスタイルも一晩たてば消えてしまうものだけれど、体の内面の美は消えることはない。その内面の美と外面の美が融合した時に本当の美しさが出てくるものだと、いつも聞かされていました。
ジョジアンヌ:お祖母様は美しさの本質をよくご存じなのですね。私も同感です。そして、それはエッセンシャルオイルの源泉である植物にもいえることです。植物は花を咲かせる外面の美しさを持ち、エッセンシャルオイルという豊かな内面の美しさも併せて持っています。だからこそ、とてもバランスのとれた美しい存在なのです。
与儀:なるほど、まさにそうですね。
ジョジアンヌ:人間においても、内側が健康でないと、外側をいくら繕っても美しくはなれないものです。例えば、肝臓が悪ければ、怒りという感情が湧き、心臓の動機が激しければ気性が荒くなるもの。不調や不安は感情になり、表情に現れるようになります。
与儀:そうですね。まずは内面から整えていかなくては本当の美しさには届きません。
ジョジアンヌ:髪も同じですよね。髪は言わば宝飾のようなものです。その根底を支えているは頭皮なのだから。
与儀:だからこそ、健やかな髪のために頭皮のケアは必要不可欠なのですね。
ジョジアンヌ:そのとおりです。
エッセンシャルオイルに秘められた自然の力
与儀:フランスではフィトテラピーが浸透していると聞きます。やはりエッセンシャルオイルは、匂いを嗅いだり、肌に塗ったりして使うのでしょうか?
ジョジアンヌ:そうですね。私のアロマテラピーの師匠は、「エッセンシャルオイルは、その人の必要としている部分に自らアプローチしてくれる」と言っていました。つまり、例えば肌にオイルを塗れば、自然と必要としている場所まで届いてくれるというのです。それが植物の不思議なところですよね。とても自然で天然のものであると同時に、とても有効で、面白いものだと私は思っています。
与儀:植物の不思議な力というのは、私もよく感じています。『ジョジアンヌ ロール』ではエッセンシャルオイルそのものも取り扱っていますが、クレームボリュームのように同じラインの商品にもエッセンシャルオイルが含まれています。やはりそこにこだわりがあるのでしょうか?
ジョジアンヌ:私たちがエッセンシャルオイルを扱う理由は、植物の力を信じているからです。だからこそ、その力が最大限に引き出される蒸留法でエッセンシャルオイルを抽出しています。
与儀:確か、1㎏のバラのエッセンシャルオイルを抽出するためには、1tものバラが必要だと……。
ジョジアンヌ:実は厳密にいうと、1㎏のバラのエッセンシャルオイルを作るために必要な1tのバラの花びらを集めるためには、16tのバラを生産しないといけないんですよ。笑。
与儀:茎や葉もふくめるとそんなに多くのバラが……。途方もない量ですね。
ジョジアンヌ:そう。アロマテラピーなどでよく用いられるラベンダーも同様です。だからこそ6~7月には、フランスのあちこちで美しい一面のラベンダー畑が見られますよ。
与儀:それはぜひ、見てみたい景色ですね。そういった植物の栽培の仕方などにも目を配られるのですか?
ジョジアンヌ:もちろん。エッセンシャルオイルの原料となる植物が、どこで、どんな方法で栽培されたかは、製品の質にかかわるとても大切な部分です。
与儀:体の中に取り入れるものだからこそ、品質の良さはとても大事ですよね。
後編では、信念を貫いてやりたいことを美しく続ける秘訣に迫ります。
ジョジアンヌロール氏 プロフィール
「本当の美しさは、健やかな心と体からつくられる」
フランスをはじめとして、世界各国で活躍しているアロマテラピスト、ジョジアンヌロール。現役エステティシャンとして、40年にわたり本物の女性の美を追求し続けています。幼少より植物に親しみながら育った彼女は、中国で鍼治療や気候術を習得。
西洋のフィトテラピーに東洋の中医学や陰陽五行説を融合させた、独自の「フィトエステティーク」を完成させました。その即効性は美に敏感な女性たちを感動させ、瞬く間に世界中で熱烈なファンを獲得し続けています。
自然に育まれたジョジアンヌロール
ジョジアンヌロールが生まれた場所、自然豊かなフランスのピュイゼ=フォルテール。
この地は、陶磁器を作るのに適した良質の土を求め優れた陶芸家たちが世界中から移り住んでくる場所です。幼いころのジョジアンヌロールは、お父さんと一緒にゆっくり時間をかけて田舎道を歩きながらその土地に古くから言い伝えられている植物や花、土地、美しさの秘訣などありとあらゆることを学びました。子どもの頃から身近で友だちのような存在だった植物からインスピレーションを受けたジョジアンヌの子どもの頃の夢は自然科学の先生になることでした。
自然豊かな場所で生まれ育った彼女は、次第に自分も自分自身の手を使って人の役に立つことをしたいという思いが芽生えるようになります。成長して理学療法を学んだ彼女が掲げた目標は、人々が美しく年を重ねるための手助けをすることでした。
好奇心旺盛な彼女が少女時代から関心を持ったのは中医学。非常にシンプルでありながら論理的に人を自然とエレメントに結び付ける捉え方に魅了されたジョジアンヌロールは、この伝統的な医学の手法を取り入れた独自のアプローチで人のお世話をするためのメソッドを構築します。
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